民泊ニュース

2022年4月18日

民泊新法(住宅宿泊事業法)、180日規制への対策と注意点

民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づいて民泊営業を行う場合、最も問題になるのが「営業は年間180日まで」という規制でしょう。1年のうち最大でも半分弱の日数しか泊められないため、旅館業物件に比べて収益を大きく圧迫されてしまいます。

しかし、180日規制に対抗する手段も無いわけではありません。以下、改めて対策について確認していきましょう。

マンスリーマンションでの営業

民泊新法の180日規制に対抗する最も一般的かつ現実的な手段が「マンスリーマンションとして賃貸する」ことです。

一ヶ月以上の滞在は、宿泊営業ではなく賃貸借契約とみなせるため、民泊新法(住宅宿泊事業法)ではなく借地借家法が適用されます。そのため民泊の営業日数にカウントされず、180日を超えても合法に収益を上げることができるのです。

通常の宿泊営業よりも売上・利幅は落ちますが、売上の安定感はあるので、うまく集客できれば民泊全体の収支が良くなります。

 

マンスリーマンション営業上の注意点

マンスリーマンションとして貸し出しをする際には、宿泊契約だとみなされないように必ず定期賃貸借契約を締結してください。

また、例え一ヶ月以上の契約期間であっても、実際には一ヶ月未満の利用であった場合には宿泊契約に該当してしまうため、180日規制をオーバーしてしまう危険性があります。もし一ヶ月間の契約を締結して、ゲストが一ヶ月未満で退去した場合でも、契約期間中はそのゲストに賃貸しているものとして、他のゲストと契約したり、ゲストに無断で入室したりすることはやめましょう。

 

繁忙月はフルで貸し出し、閑散月は抑える

宿泊営業では繁忙期と閑散期があり、稼働率と売上単価に大きな影響を及ぼします。例えば年末年始や夏休みなどの繁忙期と、年始・旧正月を除いた1月・2月の閑散期では、1.5倍以上単価が異なる施設も珍しくありません。

そのため売上を期待できる繁忙月にはフルで貸し出し、低単価しか期待できない月は週末しか受け入れをしない or 強気の単価にしておく、といったやり方でも、180日以内で売上を最大化することが可能です。

住宅や改修期間として利用する

マンスリーマンションとして賃貸する以外に、自身で住宅や別荘として利用するという手段もあります。売上は出せずとも、セカンドハウスやレジャーのための別荘としても使いたい物件であれば選択肢に入るのではないでしょうか。

また、年間180日の営業であることは割り切って、貸し出し終えたあとは施設のバリューアップのための改修や備品の調達、清掃に専念する方法もあります。営業日数の規制がない旅館業物件でも、閑散期には大規模改修などで休業することがあり、一般的に行われている手法だと言えます。

旅館業許可を取得する

民泊新法から旅館業に営業を切り替えれば、180日の規制は解除されます。建築基準法が絡んでくるため、許可が取得できるかの事前調査や、大家さんや管理組合などの許可は必要になりますが、収益アップを狙うのであれば積極的に検討したいところです。

なお家主不在型民泊の場合は、消防法で必要な設備の要件が旅館業と同様のため、追加投資がいらない可能性が高い点は押さえておくと良いでしょう。

NGな利用方法

民泊物件で時間貸しのレンタルスペース営業(会議室やパーティールームなど)も兼ねている話を聞いたことがありますが、これは住宅ではなく事業用途に該当するため、住宅宿泊事業法の規定に違反してしまいます。

民泊新法はあくまでも「住宅に人を宿泊させる」という立て付けであるため、民泊と他事業との兼用はできません。自治体によっては監視の目を強化しているところもあると聞きますので、くれぐれも注意して下さい。

また、OTAなどを利用せず直接予約で宿泊を受け付けても、お金などの対価を受け取る場合には宿泊契約に該当するため、180日規制のカウント対象になる点も注意が必要です。180日を超える営業を行ったことが行政に発覚した場合には、営業停止命令等がくだる可能性もあります。

 

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